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牡丹(ぼたん; 英名

牡丹(ぼたん; 英名:peony;学名:Paeonia suffruticosa)は、ボタン科ボタン属の落葉小低木。別名は「富貴草」「富貴花」「百花王」「花王」「花神」「花中の王」「百花の王」「天香国色」 「深見草」「二十日草(廿日草)」「忘れ草」「鎧草」「ぼうたん」「ぼうたんぐさ」など多数。

以前はキンポウゲ科に分類されていたが、おしべ・花床の形状の違いから現在はシャクヤクとともに独立のボタン科とされている。 (※)

牡丹(ボタン)
分類
界 :  植物界 Plantae
門 :  被子植物門 Magnoliophyta
綱 :  双子葉植物綱 Magnoliopsida
目 :  ユキノシタ目 Saxifragales
科 :  ボタン科 Paeoniaceae
属 :  ボタン属 Paeonia
学名
本文参照
和名
牡丹(ぼたん)
英名
Peony

目次

  • 1 概要
    • 1.1 学名
  • 2 園芸
    • 2.1 栽培
    • 2.2 園芸品種
  • 3 薬用
    • 3.1 漢方
  • 4 文学・美術
    • 4.1 中国文学
    • 4.2 日本文学
    • 4.3 絵画
    • 4.4 文様
  • 5 牡丹の名所
  • 6 そのほか
    • 6.1 紋所
    • 6.2 衣装
    • 6.3 牡丹を食べる
  • 7 関連語句
  • 8 外部リンク

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概要

原産地は中国。元は薬用に栽培されていたが、則天武后も牡丹を愛でたという唐代以降、牡丹の花が「花の王」として他のどの花よりも愛好され、様々に詠まれ、描かれてきた。 清代以降、1929年までは中国の国花でもあった。1929年、当時の中華民国政府は国花を梅と定めた。中華民国政府が台湾に去った後、公式の国花は定められていなかった。中華人民共和国政府は現在「牡丹、蓮、菊、梅、蘭」の中から新しく国花を制定する作業中と伝えられる。

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学名

シャクヤクとともにボタン属に分類され、英語ではどちらもPeonyと呼ばれるが、木本性のものは以下の種。

木本性のボタン属
  • Paeonia decomposita
  • Paeonia delavayi (Delavay's Tree Peony)
  • Paeonia jishanensis (Jishan Peony; syn. Paeonia spontanea)
  • Paeonia ludlowii (Ludlow's Tree Peony)
  • Paeonia ostii (Osti's Peony)
  • Paeonia potaninii
  • Paeonia qiui (Qiu's Peony)
  • Paeonia rockii (Rock's Peony)
  • Paeonia suffruticosa (Suffruticosa Peony; probably of hybrid origin)
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園芸

樹高は原種で3m、接木で作られる園芸品種で1~1.5m。

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栽培

  • 日当たり・排水の良い地を好む。夏の西日は避けるほうがよい。
  • 牡丹苗は接木(つぎき)で作る。
  • 植え付けや株をいじるのは、9月下旬から10月下旬が適している。
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園芸品種

春牡丹は4~5月に開花する。寒牡丹は1~2月に開花するよう、特に手間をかけて調整されている変種で、放置すると春咲きに戻ってしまう。

  • 日本牡丹・中国牡丹・西洋牡丹(ピオニー)

品種改良が盛んに行われ、園芸品種が非常に多い。花色も豊富(原種は紫紅色)で、花形も多彩である。

  • 赤・赤紫・紫・薄紅・黄・白
  • 一重・八重・千重、大輪・中輪


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薬用

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漢方

  • 根の樹皮部分は「牡丹皮(ぼたんぴ)」として、「大黄牡丹皮湯」など漢方薬の原料になる。日本薬局方にも収録されている。
  • 薬効成分は、ペオノール(消炎・止血・鎮痛などに効く)

なお、日本の正月に飾られるハボタンはアブラナ科で、葉の形が牡丹の花に似ているが、全く別種で、放置すればそのうちにアブラナに似た花が咲く。また、夏に咲く草丈10cmほどのマツバボタンはスベリヒユ科の園芸品種で、これも別種である。

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文学・美術

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中国文学

  • 白居易(白楽天)
    『牡丹芳』:「花開花落二十日 一城之人皆若狂」
    (花開き花落つ二十日、一城の人皆狂ふが若し)[1]
  • 劉禹錫
    『賞牡丹』:「唯有牡丹真國色 花開時節動京城」
  • 李白
    • 「一枝濃艶露凝香 雲雨巫山枉断腸 借問漢宮誰得似 可憐飛燕倚新粧」
    • 「長恨歌」でも楊貴妃を牡丹・梨花・柳に例えた。
  • 郭延沢(かくえんたく)牡丹詩千首を詠んだ
  • 『牡丹燈記』(日本では、怪談『牡丹灯篭』や歌舞伎『怪異牡丹燈籠』)
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日本文学

  • 日本では8世紀には栽培されていたようであるが、文学に登場したのは『枕草子』が最初である(「殿などのおわしまさで後」の条)。
  • 「咲きしより 散り果つるまで見しほどの 花のもとにて 二十日へりけり」(関白前太政大臣『詞花和歌集』)
  • 蕪村発句集:与謝蕪村は関西出身の俳人で、牡丹の句を多く残した。
    牡丹散(ちり)て打かさなりぬ二三片
    閻王(えんおう)の口や牡丹を吐かんとす
    ちりて後おもかげにたつぼたん哉
  • 曲亭馬琴:「南総里見八犬伝」で牡丹が獅子の力を押さえ込む霊力があることに着目して、牡丹紋を八犬士の象徴とそた。
  • 木下利玄(1886-1925; 白樺派の歌人)
    牡丹花は  咲き定まりて  静かなり  花の占めたる  位置のたしかさ
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絵画

牡丹に蝶(葛飾北斎・画)
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牡丹に蝶(葛飾北斎・画)

多くの文人墨客が牡丹を愛し、描いてきた。

  • 狩野山楽「牡丹図」(桃山時代、大覚寺宸殿・牡丹の間の襖絵18面、重要文化財[2]
  • 葛飾北斎 「牡丹に蝶」
  • 速水御舟「牡丹」[3]、「墨牡丹」[4]
  • ほか多数
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文様

着物を始め、陶磁器や漆器、家具などの文様に好んで描かれてきた。雛人形の調度にも牡丹をあしらった道具が並ぶことが多い

  • 「青漆塗牡丹沈金中平」(輪島塗)[5]
  • 唐獅子牡丹紋角形水滴[6]
  • 建築の意匠[7][8]
    • 日光東照宮の彫刻(東西廻廊など)[9]
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牡丹の名所

  • 島根県の県花。島根県大根島、赤名観光ぼたん園、御嶽ぼたん園などが牡丹の名所として知られている。
  • 島根県八束郡八束町の町の花。同町の牡丹は300年前に遠州(静岡県)の秋葉山から持ち帰られたものと伝えられている。
  • 福島県須賀川市の市の花。市内にある須賀川牡丹園は18世紀明和年間に摂津国(現兵庫県宝塚市)から持ち帰った牡丹を栽培したのが始まりとされている。
  • 神奈川県横浜市金沢区の区の花。
  • 埼玉県東松山市の市の花。市内には箭弓稲荷神社牡丹園と東松山ぼたん園と、2つの大きな牡丹園が存在する。
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そのほか

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紋所

牡丹の花や葉をあしらった紋所がある。 「牡丹」「大割牡丹」「向こう牡丹」「丸に牡丹」「立ち牡丹」「鍋島牡丹」ほか。


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衣装

平安貴族社会で決まっていた「襲(かさね)の色目」の取り合わせで、「表が白、裏が紅梅」のものは「牡丹」と呼ばれた。


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牡丹を食べる

  • 「牡丹餅」(ぼたもち)
  • 「司牡丹」(つかさぼたん)は高知県佐川町の地酒の銘柄。田中光顕が命名したという。
  • 「牡丹鍋」は猪肉を味噌味で食べる鍋。
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関連語句

  • 「立てば芍薬,座れば牡丹,歩く姿は百合の花」という言葉があるが、ボタンが木(灌木)であるのに対し、シャクヤク・ユリは草(多年草)に分類される。
  • 「獅子に牡丹」「牡丹に唐獅子」は、取り合わせの良い組み合わせで「男気」の象徴。
    • 唐獅子牡丹は工芸品、刺青[10]、侠客伝映画の題名(「昭和残侠伝唐獅子牡丹」、「緋牡丹博徒」など)にも見られる。
  • 花札の絵柄:牡丹に蝶 (6月)
  • 記念切手:ふるさと切手『須賀川の牡丹』
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外部リンク

  • 中国牡丹网
    • 牡丹文化
    • 牡丹画廊
  • ボタン科(※)(岡山理科大学 植物生態研究室(波田研))
  • 牡丹のページ
  • 須賀川牡丹園:「牡丹図鑑」のページあり


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